何処へ行く 何処へ行かされる理学療法士
会長に就任して9年間で、理学療法士の資格等に関する医政局による検討会は2回しか開催されませんでした。ひとつは、チーム医療の中で果たす理学療法士の専門性、もう一つは理学療法士及び作業療法士法における「理学療法」「理学療法士」の定義についてでした。
それが何と今は、理学療法士の需給検討会、理学療法教育カリキュラム検討会(仮称)、医療職教育分析検討会(仮称)、在宅医療検討会等が同時進行しているのです。それこそ、会議参加者の割り振りに苦労するほどです。何故にこれほどの検討会等が始められたのでしょうか。ひとつには超高齢社会特有の理学療法士に対する期待感があります。ふたつめには理学療法士の量と質の問題があります。昭和47年に厚生労働省は、今日の高齢社会を想定して、リハビリテーション医療の拡大発展を促すという決断をしています。それに従って、診療報酬の積極的な誘導によって、リハビリテーション医療は発展を続けてきました。当然、理学療法士養成数も飛躍的に増えることになったのです。量の拡大が質の低下を来していないか、この点は真摯に組織的論議が必要と判断しています。
地域包括ケアシステムとはこれまでの社会的概念や社会システムを新しい時代にマッチングさせる改革です。増え続ける社会保障費、まさにここに焦点を当てた改革とも言えます。2025年までに病床数は、急性期と慢性期を中心として約20万床の削減が決まっています。2025年は、団塊の世代が後期高齢者となり、本格的な超高齢社会に突入する年なのです。前期高齢者と後期高齢者を比較すると後者は通院治療ではなく、入院治療が必要となります。そして、現在よりも30~40万人が在宅医療を受けることになるのです。社会全体が流動化し、特に医療・介護領域はより流動化し、更に理学療法士の身分そのものも流動化しそうな状況です。
流動的だからこそ、我々理学療法士に大きなチャンスが訪れていると言えます。このチャンスを生かすも殺すも、情報収集と決断次第です。組織として、一人の理学療法士として、チャンスを逃して、ピンチに陥ることがないようにしなければなりません。
公益社団法人 日本理学療法士協会
それが何と今は、理学療法士の需給検討会、理学療法教育カリキュラム検討会(仮称)、医療職教育分析検討会(仮称)、在宅医療検討会等が同時進行しているのです。それこそ、会議参加者の割り振りに苦労するほどです。何故にこれほどの検討会等が始められたのでしょうか。ひとつには超高齢社会特有の理学療法士に対する期待感があります。ふたつめには理学療法士の量と質の問題があります。昭和47年に厚生労働省は、今日の高齢社会を想定して、リハビリテーション医療の拡大発展を促すという決断をしています。それに従って、診療報酬の積極的な誘導によって、リハビリテーション医療は発展を続けてきました。当然、理学療法士養成数も飛躍的に増えることになったのです。量の拡大が質の低下を来していないか、この点は真摯に組織的論議が必要と判断しています。
地域包括ケアシステムとはこれまでの社会的概念や社会システムを新しい時代にマッチングさせる改革です。増え続ける社会保障費、まさにここに焦点を当てた改革とも言えます。2025年までに病床数は、急性期と慢性期を中心として約20万床の削減が決まっています。2025年は、団塊の世代が後期高齢者となり、本格的な超高齢社会に突入する年なのです。前期高齢者と後期高齢者を比較すると後者は通院治療ではなく、入院治療が必要となります。そして、現在よりも30~40万人が在宅医療を受けることになるのです。社会全体が流動化し、特に医療・介護領域はより流動化し、更に理学療法士の身分そのものも流動化しそうな状況です。
流動的だからこそ、我々理学療法士に大きなチャンスが訪れていると言えます。このチャンスを生かすも殺すも、情報収集と決断次第です。組織として、一人の理学療法士として、チャンスを逃して、ピンチに陥ることがないようにしなければなりません。
公益社団法人 日本理学療法士協会
会長 半田 一登