現地報告 2016年5月5日

現地報告 2016年5月5日

ゴールデンウィークに入ってから一般ボランティアの数が増えました。しかし、倒壊家屋や黄色の立入要注意札を貼られた家屋も多く、それらの場所への片付け支援は困難な状況で、折角のボランティアも断らざるを得ないという事態になっています。折角の志が活用されないのは極めて勿体ないことです。
しかし、東日本大震災による避難者18万人、仮設住宅に暮らす人々は9万人と、あの日から5年余りを経過してなお多くの方々が未だに元の生活に戻れないという状況が続いています。災害の類型にもよりますがこのように被災者支援は数週間、数ヶ月といった比較的短期で終了するものではなく、数年間という長いスパンで計画的に実施されなくてはなりません。志を持ってボランティアに参加しようと思われた方々にはどうぞそのような意識の元で今後も長く被災地への関心を持ち続けて頂きたいと念願するところです。

これまで報告してきましたように現在全国各地からの地域JRATの支援を受けて医療・リハビリ支援が展開されています。JMATが5月8日で撤収するとのニュースもあり、その後のJRATの動きが気になるところですが、当面はJRAT及び熊本県理学療法士協会に対応をお任せすることとして私は私自身に課せられた役割に戻ることとします。
なお、JRATの活動は最長で6ヶ月間ということですのでその後の支援は熊本県理学療法士協会が中心とならざるを得ません。それに向けて協会も現地対策本部を出先機関として可能な限りの支援協力をしたいと考えています。

熊本の状況ばかりをお伝えしてきましたが、大分の一部も今回の被災地区となっています。由布市の病院では患者さんを外に出したとの話も聞こえています。河野大分理学療法士会長とも何度か電話で連絡を取らせて頂きましたが、幸い限局的な被害であるとのことでしたので遅くなりましたが併せてお知らせしておきます。

以上、さらなる熊本県理学療法士協会・大分県理学療法士会へのご支援をお願いしまして、本日を以て一旦この現地対策本部を休止させて頂きます。

これまでの全国の仲間からの激励やご心配の声に心より感謝申し上げます。

2016年5月5日
副会長 小川克巳

現地報告 2016年5月1日

本会の半田会長が被災状況視察のため熊本入りされました。北九州から新幹線で熊本駅に降り立った半田会長を、熊本県理学療法士協会北里会長、坂崎専務理事、そして私の三人で迎え、熊本県理学療法士協会事務局にて発災からこれまでの経緯と支援活動の状況を説明させて頂き、現状での問題や今後に向けての課題等について意見交換した後、最も被害の大きかった益城町及び避難所となっている益城総合体育館を視察しました。益城総合体育館では活動中であったJRATのメンバーから直接状況を聴取、課題の一部を共有しました。

避難所では、段ボールベッドの組み立てが急ピッチで行われており、ボランティアの動きも活発ではありましたが、その一方で忘れられたように背中を丸めて横になったままの高齢者の多さが気になりました。

益城地域の様子と言えば、主な道路は何とか通れるように応急的に補修はされているものの、まだまだ倒壊したままの家屋も数多くあり、復旧までの道のりの遠さを思わせられました。また、相変わらず余震が頻発しているため、一時に比べて避難者数は減っているものの夜間は避難所に身を寄せる方や、その周辺で車中泊をされる方も多くいて収束に向かっているという印象にはほど遠いものを感じます。

2016年5月1日
副会長 小川克巳

現地報告 2016年4月28日

JRATの活動も日を重ねる毎に少しずつ円滑さを増し、多少の名残はあるものの一時期の混乱は収まってきたように感じられる。ただ、リハビリテーション専門職の支援関与は医師とのパッケージを基本としたJRATの枠組み以外に、例えば県外から理学療法士などが自主的に支援介入することが事実上制限されていることから、県外からの支援申し出に対しては状況を説明し、上記手順を踏むか、時期を見直してご協力頂けるようお願いする状態です。そんなことから現地対策本部の当面の役割としては状況の確認と会員の安否確認に絞られた状況にあります。

協会情報システム室を中心に進めてきた熊本県理学療法士協会に在籍する会員の安否確認も本日現在で下記の通りとなっており、連絡のとれない(被災に起因しないと思われる)1割の方々については熊本県理学療法士協会事務局に委ねることとしました。

2016年4月28日
副会長 小川克巳

回答者 未回答者 回答率
WEB 775 926 46%
電話 1539 - -
合計 2314 256 90%

現地報告 2016年4月22日

引き続き会員の安否確認とボランティアデータベースの作成中です。

また、JRATの活動も、各地からの地域JRATのメンバーが続々と熊本入りすることにより次第に活発化しており、各避難所において本格的にリハビリテーション支援が展開されつつあります。それに伴い、避難所の衛生上の問題、自律化の問題、メンタルヘルス等、発災当初とは異なる課題も指摘されています。

午後からは熊本機能病院に設置されているJRAT現地災害対策活動本部に坪田ロジスティクスリーダーを訪ね、公益社団法人日本理学療法士協会及び都道府県理学療法士会の独自の支援希望にどのように対応するかについて協議しました。結果、総体としてJRATの枠組みの中で行動することが再確認されました。単純に述べれば、地域JRATを介さない都道府県理学療法士会からの支援申込みについては、まず当該地域JRATに合流(医師とのパッキングが必要)し、地域JRATからJRATへの支援申し出を行った上で、名簿登録、スケジューリング等の連絡を受けて現地入りをする、という流れになります。よって、個人の発動による支援については原則避けて欲しいというのがJRATの考え方であり、現に、JRATの枠外で自発的に支援参加しているとみられる療法士が誤解を受ける可能性のある行動をしているとの注意喚起も行われているようです。

これから被災地への支援を検討されている理学療法士会では、上記の枠組みに沿った形でのご支援をお願いします。

また、JRATの活動は最長概ね6ヶ月とされているようですが、被災者の環境が6ヶ月で旧状に復するとは考えられません。長期にわたってのサポートが必要となりますので、そうした息の長い支援に耐えられるような体制づくりが今からもとめられています。

2016年4月22日
副会長 小川克巳

現地報告 2016年4月21日

最優先事項である会員の安否確認については、本日18時00分時点で400名強の確認が取れました。

その中には家屋が被害に遭った会員が、半壊6名、一部破損100名余りいます。14日の前震で弱ったところへさらに強い本震(最大震度6強から7に修正)が襲ったことによる倒壊が大半を占めています。

また、人的被害においても前震のあとで家屋内の片付けに入られた方々が本震で被害に遭ったというケースが多く見られます。たまたま時間帯が夜半(未明)であったことがまだ人的被害を少なくしたとも言えますが、活動する時間帯であったら...と、今回の地震の恐ろしさを改めて痛感しました。

こちらでは深刻な被害を受けている地域からJRATが現地支援を開始しました。日本理学療法士協会現地災害対策本部内においても緊急時の組織的協働の難しさを感じつつJRATと速やかに協働開始できるよう県下会員のボランティアスタッフの取りまとめにかかっています。

また、九州ブロック会から総力を挙げて支援に入るのでいつでも要請をと、またその他の理学療法士会からも協力支援の心強い申し出を頂いています。仲間のありがたさもまた痛感しているところです。明日は熊本機能病院に置かれているJRAT現地災害対策活動本部に赴き、JPTA現地対策本部の具体的協働のあり方についてご相談の予定です。

※写真は今回一番被害の大きかった益城地区の様子です。報道で見るのと現地で見るのとではまったく空気感が異なり、被害に遭われた方々の恐怖がダイレクトに伝わってきます。

2016年4月21日
副会長 小川克巳

現地報告 2016年4月20日

半田会長の指示により、熊本において日本理学療法士協会現地災害対策本部を設置することとなり、熊本県理学療法士会北里県士会長と協議の上でその準備にあたっています。本部は熊本県理学療法士協会の事務所の一部をお借りして、協働しつつ少しずつ稼働させることとなりました。

具体的活動については、JRATの動きに協働し、阻害しないことを基本原則としつつ補完的に動くこととしました。また、現状での最優先事項は会員の安否確認ならびに被災状況の把握であり、これらを早急に実施することとなりました。

熊本県理学療法士協会の事務局機能の基盤整備と併せてこれらを実施するために、協会職員の応援を要請したところ、19日夜には、同日一部運行をようやく再開した航空便により総務課情報システム係の小林氏が来熊。県士会事務局の基盤整備とともに日本理学療法士協会現地災害対策本部での当座のICT構築に着手しました。心強い応援です。その成果ですが、本日18時、安否確認では早速会員に対して一斉にメール連絡し、被災状況把握に努めています。

いまだ震度3以上の余震が頻発する一方で、事務局も断水状態が続いており、様々な面で不自由を来しています。上下水道の早期復旧を願う次第です。

2016年4月20日
副会長 小川克巳

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