「リハビリテーションを考える議員連盟」第9回総会が開催されました
「リハビリテーションを考える議員連盟」第9回総会(以下、リハ議連。会長:鈴木俊一衆議院議員、財務大臣)が2024年6月11日(火)に衆議院第一議員会館にて開催されました。会場には、50名以上の国会議員と行政担当者、全国の理学療法士をはじめとするリハビリテーション専門職を含め総勢200名を超える出席があり、立ち見がでるほど多くの方が集まりました。
今回の総会では理学療法士・作業療法士・言語聴覚士(以下、リハビリテーション専門職 ※要望書には3療法士と記載)に関する以下4点の提案事項を議題とし、活発な議論がなされました。
1.人材確保のための物価上昇等を上回る継続的賃上げ及びキャリア形成支援への助成
2.高齢者・障害者の自立生活力を向上するための取組の強化
3.災害時の被災者に対するリハビリテーション支援の強化
4.ユニバーサルヘルス・カバレッジに係るアジア・アフリカ健康構想におけるリハビリテーション支援等の推進
冒頭、鈴木俊一議連会長からは、「私達の生活を考える中でリハビリテーションの仕事は年々重要性が増していくと感じている。今年は特に能登半島地震の際、避難所の方への対応などご尽力いただいた。今回の改定で給与面の職場環境の改善の一歩とできたことは良かった。これからフォローアップもしていかなければならない。リハビリテーションは拡大することはあっても縮小することはない。様々な課題を解決するためにがんばっていきたい」等と挨拶を述べられました。
リハビリテーション専門職の現状と要望
現状と要望については各団体にて分担して説明し、本会の斉藤秀之会長からは、提案事項1について、リハビリテーション専門職の2024年のベースアップを含む賃上げ状況の把握及び必要な対応、全産業平均の賃上げ率を踏まえた物価上昇を上回る構造的かつ継続的な賃上げ、質の高いリハビリテーション専門職のキャリア形成支援(法定研修・告示研修化など)と活用による労働生産性向上と社会保障費の適正化に向けた制度設計を、提案事項2について、厚生労働省内へのリハビリテーション課の設置及び資格法に係る調査と検討、在宅リハビリテーション提供体制の強化を、提案事項4について、リハビリテーション支援の強化及びリハビリテーション専門職団体との連携推進、リハビリテーション関連機器等とリハビリテーション専門職の海外展開強化の説明と提案を行いました。日本作業療法士協会、日本言語聴覚士協会からもそれぞれ現状と要望が述べられた後、厚生労働省、こども家庭庁、文部科学省、内閣府防災担当より、現状の施策等について説明がありました。
参加した議員からは、「賃上げは物価上昇を上回ることが大事である」「医療と介護で賃金に差が出ることは問題である。実態調査を行い、差があるのであれば補正予算などを組んでいただきたい」「地域包括支援センターにリハビリテーション専門職が配置されている自治体ではしっかり予防介護が取り組まれている。配置を義務にしてはどうか」「災害関連死を減らしていくためにはリハビリテーション専門職が重要である」「骨太の方針にリハビリテーションの強化を明記することが重要である。また、新しい資本主義のグランドデザインにもリハビリテーションを明記してもらうべきだ」など提案事項に対する意見が活発に出されました。
今後に向けて
最後には、リハビリテーションを考える議員連盟による決議が行われ、令和7年度予算において十分な規模の予算を確保したうえで、先に掲げた4つの提案事項の推進を強く要望することが、満場一致で承認されました。
開会式の挨拶を述べる鈴木議連会長
理学療法士の現状と要望を述べる斉藤会長
司会進行する国光議員
協議・意見交換の様子