「リハビリテーションを考える議員連盟」第10回総会が開催されました

「リハビリテーションを考える議員連盟」第10回総会(以下、リハ議連。会長:鈴木俊一衆議院議員)が2024年12月12日(木)に憲政記念館にて開催されました。会場には、30名以上の国会議員を含め、行政担当者、全国の理学療法士をはじめとするリハビリテーション専門職総勢など180名ほどの出席がありました。

今回の総会では、リハビリテーション専門職(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士 ※要望書には「3療法士」と記載)三団体から、健康で自立した生活力の向上に資するリハビリテーションの強化・推進に向けた要望事項を議題とし、活発な議論がなされました。

冒頭、鈴木俊一議連会長からは、「人口構成が変わり高齢化が進んでいる。それに伴い疾病構造も変わってくる中で、リハビリテーションの役割は年々大きくなり、活躍するフィールドの裾野も広がっている。制度的にもそれを認識しながら(その役割を)支えていくことが重要」として「より良いリハビリテーションの環境を作るため引き続き努力していきたい」と挨拶されました。

リハビリテーション専門職三団体からの要望

リハビリテーション専門職三団体からの要望事項として以下6点について、各団体にて分担して説明しました。

  1. 1.さらなる賃上げ及び介護・福祉等分野に就労するすべての3療法士に対する確実な賃上げの実現
  2. 2.地域包括支援センターの3療法士配置及び自立支援ケアマネジメントの強化
  3. 3.急性期病床における早期の在宅復帰にむけた3療法士の配置強化
  4. 4.3療法士各団体が行う資格取得後の研修の推進及び修了者の評価
  5. 5.厚生労働省におけるリハビリテーション課の設置及びリハビリテーション政策の総合的推進
  6. 6.特別支援教育における3療法士の活用

本会の斉藤秀之会長からは、要望事項3~5について説明と要望を行いました。日本作業療法士協会、日本言語聴覚士協会からもそれぞれ説明と要望が述べられた後、厚生労働省からは令和6年度補正予算内審議において賃上げの支援策を盛り込んだこと、地域包括支援センターは他職種に加えて市町村が3療法士を配置することは可能であり、環境整備に努めていくこと、急性期病床を含む3療法士の確保は、都道府県で基金を活用して推進していくことは可能であることから、都道府県に対して助言を行い3療法士確保に努めること、研修については、厚労省としてどういったことができるのか関連団体と意見交換をしていくこと、文部科学省からは特別支援学校等における3療法士の活用について等、要望事項に対する回答がありました。

参加した議員からは、「医療界全体が限界にきている。骨太の方針に物価高騰上昇分を上乗せする報酬の仕組みを必ず入れることを申し上げたい。」「生活期のリハビリテーションもニーズがあり、地域包括支援センターで3療法士を位置付けるのは必須だと思っている」「リハビリテーションが、こどもたちの脳性麻痺や低酸素脳症なども急性期であるほど効果があるにも関わらず、対象が高齢者に寄っている。こどものアクセシビリティが制限されている」など要望事項に対する意見が活発に出されました。

また、田中事務局次長からの「議論を進める上で厚生労働省医事課、医療課、老人保健課に専門官のような担当官を置いていただき、三課の課長、専門官と三団体の代表者で定期的に議論する場を作っていただきたい」という要望に対して、厚生労働省より、「提案のようなかたちで進める」との回答がありました。

今後に向けて

最後には、リハビリテーションを考える議員連盟による決議が行われ、令和7年度予算において十分な規模の予算を確保したうえで、先に掲げた6つの要望事項の推進を強く要望することが、満場一致で承認されました。

開会式の挨拶を述べる鈴木議連会長
開会式の挨拶を述べる鈴木議連会長

要望事項について説明する斉藤会長
要望事項について説明する斉藤会長

質疑応答の様子(発言する城内経済安全保障担当大臣・内閣府特命担当大臣(クールジャパン戦略、知的財産戦略、科学技術政策、宇宙政策、経済安全保障))
質疑応答の様子(発言する城内経済安全保障担当大臣・内閣府特命担当大臣(クールジャパン戦略、知的財産戦略、科学技術政策、宇宙政策、経済安全保障))

厚生労働省に要望を伝える田中リハ議連事務局次長
厚生労働省に要望を伝える田中リハ議連事務局次長

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