本会の初代会長である遠藤文雄氏が昨年暮れにご永眠されたとのご連絡をいただきました。
そのご逝去を悼んで、半田会長からの追悼文を掲載いたしました。
公益社団法人 日本理学療法士協会
第8代会長 半田一登
本会の初代会長である遠藤文雄氏が昨年暮れにお亡くなりになりました。すでに2代目から5代目会長がお亡くなりになっており、遠藤氏は本会の草創期を知る唯一の方でもありました。本当に残念でなりません。
「当時の事を思い出すと楽しいことは一つもなく、皆がやたらと苦労したように思う。私は当時、神奈川県の七沢病院に勤務していたので、事務局のある清瀬まではるばる通ったものである。月給は交通費でなくなってしまう何年かが続いたのである。」この文章は本会の10周年記念誌に遠藤氏が「流れ」と称して投稿した文章の一節です。本会は、昭和41年の第1回国家試験合格者のうちの110名によって設立されました。特筆すべきことは、本会を設立した同じ年の内に第1回全国学会と第1回全国研修会を始めたことです。この理学療法を思うエネルギーの凄さに驚かされます。
学会等で遠藤氏にお会いするといつも、背広のボタンは開けっ放しでお腹を突き出した姿勢で私の肩をたたき、「どうかね。」と満面の笑顔で声をかけていただいたものです。これまで20回以上はお聞きしたと思います。あの「どうかね。」をもう二度と聞くことができなくなったことは本当に寂しいものです。
初代会長遠藤文雄氏のご逝去にあたり、そのご苦労に感謝すると共にご遺志を引き継ぎ、冠たる理学療法士の世界を目指すことを誓います。