会長あいさつ

長寿高齢社会を「運動療法」で支える

最近、「運動」の大切さをテレビ等で見る機会が増えています。マスコミはセンセーショナルにある方法等を伝えますが、大切なことは「続けること」と「科学的であること」です。
私たち理学療法士は「運動療法」を駆使する医療専門職として誕生しました。「運動」と「運動療法」の違いは、その運動にしっかりとした科学的根拠があるかないかです。高齢社会の到来とともにその「運動療法」を健康づくり・転倒予防・介護予防、そして健康寿命延伸に使うことを求められています。

例えば、転倒予防に関する研究で以下の結果が得られています。

  • 1. 1日の飲む薬の量が7錠を超えている場合に転倒しやすい。
  • 2. 最大一歩幅が狭い場合に転倒しやすい。
  • 3. 足首の関節が固い場合に転倒しやすい。
  • 4. 足の指のつかむ力が弱い場合に転倒しやすい。

これらの結果から「運動療法」としては以下の運動を行います。

  • 1. 錠剤を減らすために生活習慣病の改善をめざして有酸素運動と無酸素運動の適切な配分の運動を計画します。
  • 2. 脚の裏側の筋肉(ハムストリングス・下腿三頭筋)を伸ばす運動を計画します。
  • 3. 裸足になって足の指で様々なものをつかむ練習を計画します。

これらの科学的な「運動療法」を一定期間行い、効果を検証します。

  • 1. 検証結果を分析して効果判定をします。
  • 2. 効果が認められた時は次のステップに進みます。
  • 3. 効果が十分でない場合は運動プログラムの見直しを行います。

これらの一連のやり方を「運動療法」ということができます。この運動療法を使いこなし、様々な予防や治療にあたるのが理学療法士です。
この長寿高齢社会にあって、適切な運動療法によって健康寿命を延ばし、有意義な人生を全うしたいものです。

2019年8月

公益社団法人 日本理学療法士協会 会長 半田一登

公益社団法人
日本理学療法士協会
会長 半田一登

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