会長あいさつ

「運動の専門家」として

私たち理学療法士(Physical Therapist:PT)は、「運動の専門家」として、乳幼児から高齢者に至る全てのライフステージにおいて、科学的根拠に基づいた安全で効果的な理学療法を提供し、利用者一人ひとりの生活と健康を支援する専門職です。利用者本位を原点に、個々の人生に寄り添い、暮らしや生き方を豊かにするための支援を行っています。そして、地域社会の中で、理学療法士は医療・介護・福祉・保健・教育の多職種と連携しながら、全ての国民が健康で自分らしい暮らしを営むことができる社会の実現を目指して、日々活動しています。

現在、地域包括ケアシステムの推進、医療・介護・福祉の連携など、社会構造は大きく変化しています。「治す医療」から「治し支える医療」へパラダイムシフトが急速に進むことが予測されます。その中で、私たち理学療法士は、健康づくり、生活習慣病や介護度重度化の予防、社会復帰支援といった幅広い領域で、生活や動きのポテンシャルを見極め、最大限の効果を発揮する質の高い理学療法を提供することによって人生の質を高めることにも、その存在意義を見出すことができます。私たち理学療法士は、多様な社会変革にも対応し、あらゆる場面で、国民の健康と福祉の向上に貢献していきたいと考えています。

また、理学療法士は、その一人ひとりの目標に合わせて、身体機能や座る・立つ・歩くなどの基本動作能力を調整することをもっとも得意とする専門職です。同じ病気や怪我であっても、利用者の価値観や目指す生き方は多様な中、その強みを生かし、本人らしい生活の実現を支援することを使命として、国民の皆様のニーズに向き合い、身近で信頼できる存在であり続けるために、課題解決に挑み続ける覚悟があります。

私たちは国民本位の理学療法を信条とし、社会保障の基盤を支える専門職として、皆様の健やかな毎日と幸福を支え、全ての人が生き生きと自分らしく暮らし、活躍できる社会の実現を目指し、今後も一層尽力してまいります。

2025年6月

会長 斉藤秀之

公益社団法人
日本理学療法士協会
会長 斉藤秀之

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