リハ関連9団体で初となる障害福祉報酬の要望提出! 「共生型サービスの推進に向けた医療・介護保険施設等における自立訓練(機能訓練)の提供の評価要望書」を厚生労働省社会・援護局に共同提出しました
作成日:2026年10月8日

リハ関連9団体で初となる障害福祉報酬の要望提出! 「共生型サービスの推進に向けた医療・介護保険施設等における自立訓練(機能訓練)の提供の評価要望書」を共同提出
2026年9月29日(火)に、本会は、全国リハビリテーション医療関連団体協議会※(以下、「9団体」)と共同で、令和9年度障害福祉報酬改定に向けた要望書を厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部 障害福祉課へ提出しました。
今回の要望では、医療・介護保険施設等における自立訓練(機能訓練)の提供体制の充実に向け、指定手続きの簡素化、全国一律の運用指針の整備、制度の周知・啓発、報酬の見直し等を要望しました。
自立訓練(機能訓練)は、障害のある方が地域で生活するために必要な身体機能や生活能力の維持・向上を支援する障害福祉サービスです。医療機関を退院した後には、外出や公共交通機関の利用、家庭内での役割、地域活動、復職・就労など、地域で本人が望む生活を実現するためのさまざまな課題があります。
こうした「医療から地域生活への移行」を支える選択肢の一つとして、自立訓練(機能訓練)は重要な役割を担っています。一方で、その提供体制は十分に整っておらず、必要とする方が地域で継続して支援を受けられる環境の整備が課題となっています。
今回の共同要望は、単に事業所数を増やすことを目的とするものではありません。医療機関でのリハビリテーションを経て地域生活へ移行した方が、必要な支援を受けながら、本人が望む生活や社会参加を実現できるよう、医療・介護・障害福祉の各サービスがつながる環境の整備を求めるものです。
※全国リハビリテーション医療関連団体協議会は、以下の9団体で構成されています。
回復期リハビリテーション病棟協会、全国デイ・ケア協会、日本言語聴覚士協会、日本作業療法士協会、日本訪問リハビリテーション協会、日本理学療法士協会、日本リハビリテーション医学会、日本リハビリテーション看護学会、日本リハビリテーション病院・施設協会(五十音順)なお、今回、9団体と本会では以下の要望事項を共同で提出しました。
要望事項
「共生型サービスの推進に向けた医療・介護保険施設等における自立訓練(機能訓練)の提供の評価」(9団体との共同要望資料はコチラ)
自立訓練(機能訓練)とは
自立訓練(機能訓練)は、障害のある方が自立した日常生活または社会生活を営むことができるよう、一定期間にわたり、身体機能や生活能力の維持・向上に必要な訓練を行う障害福祉サービスです。(厚労省HP:障害福祉サービス等報酬改定検討チーム資料(令和5年10月23日)より)
サービスでは、障害者支援施設やサービス事業所、利用者の居宅などにおいて、理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーションを行うほか、生活や就労に関する相談や助言などの支援を実施します。標準利用期間は原則18か月で、頸髄損傷による四肢麻痺等の場合は36か月とされています。対象には、入所施設や病院を退所・退院した後、地域生活への移行に向けて身体機能の維持・回復等が必要な方や、特別支援学校を卒業し、地域生活に向けた訓練が必要な方などが含まれます。(自立訓練(機能訓練)に関する動画はコチラ:会員限定コンテンツ>職能事業>職能研修>社会保障制度の普及啓発>医療施設、介護施設における障害福祉サービスである自立訓練(機能訓練)の提供)
共生型サービスとは
共生型サービスは、介護保険サービスと障害福祉サービスの双方を提供しやすくするため、平成30年度に創設された指定手続き上の特例です。介護保険サービス事業所が障害福祉サービスを、また障害福祉サービス事業所が介護保険サービスを提供できるようにすることで、利用者の継続的なサービス利用や、地域におけるサービスの選択肢の拡大につなげることが期待されています。(厚労省HP:共生型サービス|厚生労働省より)
医療・介護の場でも自立訓練(機能訓練)が提供可能に
令和6年度障害福祉サービス等報酬改定では、自立訓練(機能訓練)の提供体制を広げるため、医療保険のリハビリテーションを提供する病院・診療所や、介護保険の通所リハビリテーション事業所において、自立訓練(機能訓練)を共生型サービスまたは基準該当サービスとして提供することが可能となりました。これにより、病院・診療所や通所リハビリテーション事業所が、既に有しているリハビリテーションの専門職や設備等を活用しながら、障害のある方の地域生活を支援することが期待されています。(令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の概要.該当箇所P49)
しかし、制度上は提供が可能となったものの、実際の導入には課題が残されています。本会が令和7年8月に医療施設および通所リハビリテーション事業所を対象として実施した調査※では、令和6年度報酬改定後に自立訓練(機能訓練)を導入した施設は1%、導入予定の施設も3%にとどまりました。また、導入または導入予定の施設の71%が手続きに困難を感じており、「書類作成の煩雑さ」「定款の変更」「行政手続きに時間がかかる」などが主な課題として挙げられています。今回の要望では、こうした制度上の可能性を実際の地域でのサービス提供につなげていくため、指定手続きの簡素化や全国共通の運用指針の整備、制度の周知等についても改善を求めています。※自立訓練(機能訓練)の導入に関する実態調査結果はコチラ(該当箇所P5)

「身体機能の改善」の先にある地域生活を見据えて
理学療法士は、身体機能や日常生活動作の改善を支援する専門職ですが、地域で暮らす方にとって、身体機能の改善そのものが最終的な目標とは限りません。
例えば

というように、身体機能や生活能力の向上を、その人が実際の地域生活を営み、本人が望む生活や社会参加につなげていく視点が重要です。
2040年を見据えた地域の医療・介護・福祉とのつながり
2040年に向けては、入院医療だけでなく、外来・在宅医療や介護との連携を含め、地域全体で必要なサービス提供体制を考えていくことが求められています。また、介護・障害福祉など分野を超えた関係者の連携も重要となっています。
自立訓練(機能訓練)の提供体制を整えることも、医療・介護・障害福祉をつなぎ、地域で一人ひとりの生活を支える環境づくりの一つとして捉えることができます。
理学療法士・管理者に期待されること
病院や診療所、通所リハビリテーション等で勤務する理学療法士にとっては、退院・サービス終了後の患者・利用者が、地域でどのような生活を送っているのか、どのような支援につながっているのかを意識することが重要です。
また、管理者には、自施設が有する人材や設備、リハビリテーションの専門性を地域の障害福祉のニーズに生かせる可能性について、地域の関係者とともに考えていただくことが期待されます。まずは「自立訓練(機能訓練)という選択肢がある」ことを知り、地域のニーズを知ること。その上で、目の前の利用者が退院・サービス終了後にどのような生活を望んでいるのかを考え、必要な支援につなげていくことが、地域で活動する理学療法士に求められる第一歩となります。
まとめ
自立訓練(機能訓練)は、障害のある方の身体機能や生活能力の維持・向上を支援するだけでなく、その先にある地域での生活や社会参加、社会保障の担い手となるための支援につなげていくための重要な選択肢です。
今回の9団体と本会による共同要望では、必要とする方が自立訓練(機能訓練)を利用できる環境を整えるため、医療・介護保険施設等がサービスを提供しやすくなるよう、指定手続きの簡素化や運用の明確化、制度の周知、報酬の見直し等を求めました。
本会は、今回の共同要望を一つの契機として、関係団体・関係機関と連携しながら、理学療法士が地域生活を支える役割をさらに発揮できる環境の整備に取り組んでまいります。

左:全国リハビリテーション医療関連団体協議会報酬対策委員会委員長 近藤国嗣氏
中央:厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部 障害福祉課 竹井雄二課長
右:佐々木嘉光副会長






