【予防・医療・介護を通じた切れ目のないリハビリテーションの推進】「U.E.N.O.Plan~攻めの予防医療厚生労働省関係施策~」が厚生労働省より公表される
作成日:2026年7月29日
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厚生労働省は、令和8年7月23日に「U.E.N.O.Plan~攻めの予防医療厚生労働省関係施策~ : Understand, Exercise, Nourish and Optimize for Better Health」を発表しました。
直ちに取り組むべき第一弾の重点領域の6つのうちの一つに「リハビリテーション」が位置づけられております。
U.E.N.O.Plan ~ 攻めの予防医療厚生労働省関係施策~ 概要(別添1.概要)
「U.E.N.O.Plan」とは?
国民一人ひとりが自身の健康を「自分ごと」として捉え、主体的に健康づくりに取り組むことができるよう、健康リテラシーの向上を図るとともに、それだけでは十分な効果が期待しにくい領域については、行政や保険者等による能動的な介入を強化し、実効的な行動変容を促進していく「攻め」の取組を具体化することを目的とした計画です。
「すべて国民は、健康の増進に努めなければならない。」
国民は自分自身の健康増進に努めなければならないと法律で定められていることをご存じでしょうか。
国民は国に対して、憲法で「(1)すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」(日本国憲法第二十五条)と権利を主張している一方、国は国民に対して、法律で「すべて国民は、健康な生活習慣の重要性に対する関心と理解を深め、生涯にわたって、自らの健康状態を自覚するとともに、健康の増進に努めなければならない。」(健康増進法第2条)と規定し、国民による努力を課しています。
国民一人ひとりがその努力ができるよう、また正しく健康を理解する、健康リテラシーを身につけることができるよう、「攻め」の予防医療の観点から施策を推進しています。
予防・医療・介護を通じた切れ目のないリハビリテーションの推進
2026年5月22日(金)、高市早苗内閣総理大臣が議長を勤める、第7回経済財政諮問会議の資料において「攻めの予防医療」の6つの総合的な対策のひとつに「リハビリテーション」が追加されました。
第7回経済財政諮問会議資料4, p3より抜粋
そして、令和8年7月21日に閣議決定された骨太の方針2026には、「予防・医療・介護を通じた切れ目のないリハビリテーションの推進」が記載され、この「U.E.N.O.Plan」でも明記されております。
U.E.N.O.Plan ~ 攻めの予防医療厚生労働省関係施策~見取り図(別添2.参考資料p2)
一般に「予防医療」とは、病気にならないための「一次予防」、早期発見・早期治療の「二次予防」のほか、発症後のフェーズでの「三次予防」を含む広い概念である。とされており、リハビリテーションは再発防止、重症化予防といった「三次予防」に位置づけられています。
主に障害を抱える人々に関わり、医療・介護で活躍するリハビリテーション専門職である理学療法士等が「一次予防」、「二次予防」といったフェーズに高い関心を持ち、関わっていくことにより、国民一人ひとりの健康増進、疾病予防や早期発見においても貢献していくことが期待されます。
【現状分析】・【課題/問題点】・【具体的施策】
「U.E.N.O.Plan~攻めの予防医療厚生労働省関係施策~ : Understand, Exercise, Nourish and Optimize for Better Health」の本体資料には、6つの重点領域についてそれぞれ【現状分析】・【課題/問題点】・【具体的施策】が整理されています。
以下に、リハビリテーションの部分を抜粋して記載しています。(※下線は本会追記)
(5)リハビリテーション
【現状分析】
○ リハビリテーションについては、心身機能の向上のみならず、日常の生活動作の改善、社会参加の促進、国民の健康の増進にもつながるため、予防・医療・介護を通じた切れ目のないリハビリテーションが適切に提供されることが重要である。また、健康寿命の延伸に向けた予防や健康増進、介護予防の必要性が高まっており、リハビリテーションを推進する必要がある。
○ 2040 年に向け、介護と医療の複合ニーズを抱える85歳以上人口が増加し、リハビリテーションや介護予防のニーズがさらに増大する。
○ 介護保険では、介護老人保健施設など、施設におけるリハビリテーションに加え、通所、訪問でのリハビリテーションを提供している。また地域支援事業では、市町村が、住民主体の通いの場を中心とした社会参加による介護予防や、生活機能が低下している者に対してリハビリテーション専門職等が短期集中的に関与することにより要介護状態となることを予防する「サービス・活動C」を実施している。
○ さらに、高齢者の特性にあわせて、リハビリテーションや社会参加も含めた多様な視点から医療・介護の両面で支援を行うことが可能となるよう、令和2年度から高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施の取組を開始し、現在ほぼ全ての市町村での展開に至っている。
【課題/問題点】
○ 医療分野においては、医療・介護の複合ニーズを有する高齢者が益々増加することが見込まれる中、発症後早期からの切れ目のないリハビリテーションや、リハビリテーション・栄養管理・口腔管理の一体的な取組が益々重要となる。
○ 一方で、脳卒中等において、早期のリハビリテーション開始が望ましいとされる中、急性期病棟に入院した患者においては、休日前日に入院した場合に、入院3日以内にリハビリテーションを開始する割合が低くなっていた。
○ 高齢者の社会参加を促し、住民主体の通いの場の活動を効果的に実施するに当たり、リハビリテーション専門職等の適切な関与が重要であるが、地域リハビリテーション活動支援事業を実施している市町村は75.4%にとどまり、実施していない理由は、「リハビリテーション専門職の人手不足」があげられている。
○ 介護予防及び自立支援の効果が増大すると認められる者に対して、本人の目標達成のための計画的な支援を保健医療専門職により提供する「サービス・活動C」については、実施状況とともに、利用者の要介護度や心身機能の変化を把握することが重要である。
○ 加えて、各市町村における高齢者保健事業の実施体制の確保にあたっては、医療・介護の複合的なリスクをもつ高齢者に対してより包括的にアプローチする方策を充実させるとともに、地域資源が限られる中で、後期高齢者医療広域連合、都道府県、国民健康保険団体連合会、職能団体等による支援体制の強化を図っていくことが必要である。
【具体的施策】
○ 医療においては、令和8年度診療報酬改定において、入院後、より早期や休日におけるリハビリテーションに対する加算評価の充実等を行った。今後、当該改定の効果を検証しつつ、質の高いリハビリテーションの評価について検討する。
○ 介護においては、生活期における取組が重要であり、
・ 地域リハビリテーション活動支援事業による、住民主体の通いの場、地域ケア会議等へのリハビリテーション専門職等の関与の推進
・ 生活機能が低下している高齢者を対象とした「サービス・活動C」(短期集中予防サービス)の推進
・ 通所リハビリテーション、訪問リハビリテーション等の介護保険サービスにおけるリハビリテーションの適切な評価とサービス提供体制の強化により地域において介護状態とならないための介護予防の充実や、自立支援介護の推進、要介護状態となった方へのリハビリテーションの充実を行う。
○ これらの医療・介護における取組につなげ、フレイル予防や健康寿命の延伸に資するよう、高齢者の特性に応じたデータヘルスに基づく効果的・効率的な支援を進め、高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施の取組について質の向上と量の増加を図る。
○ 障害保健福祉分野においても、日常生活を営む上では、生活期における支援の取組が重要であることから、個々の障害特性に応じたリハビリテーション専門職等の活用を更に推進する。
○ また、疾病の発症やリハビリテーションに至る前の段階においては、引き続き「健康日本21」に基づく身体活動・運動の促進を通じて、国民の健康づくりを推進する。
○ 更に、リハビリテーションの効果を最大限に引き出すためには、リハビリテーションをする本人の理解と主体的な参加が不可欠である。そのため、リハビリテーションを必要とする者などが意欲を持ってリハビリテーションに主体的に参加できるよう、科学的分析をもとにポータルサイト等を作成することにより、リハビリテーションへの積極的な参加を促進する。
・引用元:添付3.本体(PDF:356KB) ※該当箇所 p11-13
リハビリテーション(現状・課題)(別添2.参考資料p10)
まとめ
政府が掲げる「攻めの予防医療」の推進にあたり、国家施策としてリハビリテーションが医療、介護にとどまらず予防においても推進されることは、理学療法士を含むリハビリテーション専門職の健康増進や予防分野における活躍が大いに期待されている証です。
国民一人ひとりの健康寿命の延伸に貢献すべく、理学療法士等リハビリテーション専門職が、医療、介護施設にとどまらず適切な評価のもと、安心して社会で活躍できるよう、引き続き本会では様々な観点から政策提言活動を行っていきます。
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